高知大学教育学部の特色の1つに,教育実習が充実していることが挙げられます。
1年生から4年生までのすべての学年で実習を経験する機会があり,理論と実践を往還することで実践的指導力を習得することができます。
実習先は,教育学部の附属学校園で,所属コースに応じて幼稚園,小学校,中学校,特別支援学校のいずれかで実習をおこないます。
教職への入門,子ども理解
大学での学びに必要な英語や情報・データリテラシー,教職のキャリアなどを学びます。また,近隣の学校での学習支援活動など,体験的に子ども達の実態を学びます。さらに,教育の基礎的な内容を学ぶ授業もあります。● 導入科目群
共通教育の科目ですが,学部ごとにクラス分けをして受講します。「大学基礎論」「課題探求実践セミナー」「大学英語入門」「英会話」「情報とデータリテラシー」「データサイエンス入門」「学問基礎論」が必修科目となっています。「課題探求実践セミナー」では,本学部の附属学校園および高知市内の小・中学校にご協力いただき,学生が実際に学校現場に出向く形で,子ども達に対する学習支援活動を行います。英語に関する科目は習熟度別で行います。情報に関する科目はPCの扱い方やデータの処理の方法などを学びます。「学問基礎論」では担当の先生の下で,大学での学び方や研究について学んでいきます。
● 教職キャリア開発論演習
各学年で学修したことの検証と省察を行い,次年度に向けての自己課題を明らかにしていくとともに,教職キャリアイメージを明確にします。
● 初等の教科に関する科目
小学校の先生は,すべての科目の授業を担当します。そのため,1年生では「国語」「算数」「理科」「生活科」「社会」「体育」「音楽」「図工」など,各教科の内容を学んでいきます。例えば国語では書写や文章の読み方,漢字などを学びます。主に小学校で教える内容を対象に,教科の力を付けていきます。
教職の基礎,学校理解
各教科教育,教育科学や特別支援教育などのコースに所属します。同時に,小学校免許取得に必要な科目や,特別支援教育に関する基礎的な授業など,本格的に教育学部の専門科目が増えてきます。また,学校現場を観察する授業もあります。● 初等(中等)教科指導法
「実際にどのように子どもたちに教えるのか」を学ぶ授業です。各教科ごとに授業があります。実際の子どもたちの状況をイメージして,授業を実施する計画書である「学習指導案」を作り,模擬授業を行います。同級生たちと協力したり,時には切磋琢磨しながら,学校の先生になるための力をつけていきます。
● 観察実習
教育実習の準備を行うとともに,授業づくりや授業実践の基礎を学びます。
● 介護等体験
個人の尊厳や社会連携に対する理解を深めます。
● 保育内容指導法
● 特別支援教育基礎理論
● 教育学・心理学
学習指導の基礎力養成
各教科に関する指導方法や各教科で扱われる内容など,教科に関する専門的な授業が増えます。また,所属するコースの教員の下で研究活動(専門演習)もはじまります。そして,1回目の教育実習があります。教育実習では,実際に小学校・中学校などの教壇に立ち,授業をおこないます。● 教育実習(初等・中等)
3年次および4年次で行う必修授業です。附属小学校または附属中学校において4週間の実習を行います。学生は複数名で1クラスまたは教科を担当し,教科指導を中心とした実習を行います。それまでに学んできたさまざまな理論や技術を適用・検証することを通して実践的指導力を身につけるとともに,学校教育にかかわる研究上の課題を検討します。
● 幼稚園実習
幼児教育コースの学生を対象とした,3年次の必修授業です。附属幼稚園において4週間の実習を行います。それまでの実習や講義で学んできた,幼児の心理や発達,教育原理や方法に関する理論や技術を実践し,その成果を省察することを通して実践的指導力を身につけるとともに,実習後の幼児教育にかかわる研究上の課題を検討していきます。
● 保育実習
幼児教育コース学生を対象とした,2~3年次の必修/選択必修授業です。保育所,児童養護施設や乳児院など児童福祉施設で実習を行います。講義で学んだ保育原理や保育内容などの様々な知識・技術を,子どもたちとかかわりながら実践的に学び,保育士として必要な乳幼児の成長・発達への援助や保護者への子育て支援に関する能力を習得します。
● 特別支援教育実習
附属特別支援学校において実習を行い,大学で学んできたさまざまな理論や技術を適用・検証し,実習後の特別支援教育にかかわる研究上の課題を発見すると同時に,自己の教育適性を検討します。それらを通じて,実践的指導力を身につけます。
● 教材開発演習
はじめて現場で「先生」を経験した教育実習が終わると,様々な課題が見えてきます。この授業では,教育実習が終わった2学期に,教育実習を振り返り,「もっと良い先生」になるために教材分析をやり直します。その上で,教え方を再び考えていきます。教科指導法の先生と教科内容の先生とが共同で実施する授業ということも特徴で,本学部の特徴的な授業の一つです。
● 中等の教科に関する科目
中学校の先生は,担当教科における高い指導力が求められます。そのため,3年生では,取得を希望する免許の教科に関するより深い知識を身につけていきます。
● 専門演習
所属するコースの教員の下で研究活動をおこないます。4年生ではその集大成を卒業論文としてまとめるため,卒業論文を見据えて研究活動に取り組みます。教員や先輩から指導を受けたり,学会に参加したりすることで,自身の研究をブラッシュアップしていきます。
● 特別支援教育指導法
● 保育内容の指導法
● 中等教科指導法
実践的指導力の統合・深化
2回目の教育実習や,教育実習等を踏まえた教育学部での学びの総まとめの授業として教職実践演習があります。その上で,2年間にわたる研究活動(専門演習)の総仕上げとして卒業論文を執筆します。● 教職実践演習
先生になるための4年間の集大成がこの授業です。1年生の時から,毎年年度末には自分の学びを振り返り,身についたことや課題を「履修カルテ」に書いていきます。これを振り返り,最後の課題を自ら設定し,模擬授業や学級経営に関するシミュレーションを行います。
● 応用実習
4年次の選択必修授業で,県内の学校において2週間の実習を行います。学生は教育実習の経験を通して,教師になるために解決すべき自分の課題を設定し実習に臨みます。実習中は,授業での教科指導とともに,学校行事の準備・運営や,生徒指導,地域や保護者との連携など実際の教師が行うさまざまな活動に取り組みます。
● 卒業論文
3年生から取り組んできた研究活動(専門演習)を,一つの論文として執筆します。年度末には,コースごとに卒論発表会が開かれ,コースの教員や後輩,参観しにきてくれた方々の前で,2年間の集大成として発表します。