教育学部には学科はなく,教員養成に特化した学校教育教員養成課程の1課程のみがあります。
高知大学教育学部では,教科の内容や指導方法に関する専門性を高めるために,2年次から教科等で分かれた“コース”に所属します(一部のコースは入試の時点でコースが決まります)。
コースでは,それぞれのコース特有の授業を履修できることに加え,3年次から各コースに所属している教員の研究室で学ぶことで,さらに専門性を高めることができます。
本学部には,各教科について深く学べる10のコースに加え,児童・生徒の特性に特化して学ぶ「幼児教育コース」と「特別支援教育コース」,教育学や心理学について学ぶ「教育科学コース」,理科と技術科を融合した内容を扱う「科学技術教育コース」の計14コースがあります。
就学前は人間としての基礎を形成する大事な時期であり,この時期の子どもたちに接する教育者・保育者には,より深い人間理解と高度な専門性が必要です。近年は,認定子ども園法の改正により,幼保連携型認定子ども園では幼稚園教諭免許と保育士資格の両方を持つ保育教諭が配置され,教育と保育の両面に視野を持つことが求められています。本コースでは,保育士資格と幼稚園教諭一種免許状の取得を卒業要件としながら小学校・特別支援科目群の学習を行うことで就学後の教育を見通して,その土台となる乳幼児保育・教育を充実させる力を養います。さらに,高知の保育を考える授業等を通して,地域の子どもを取り巻く現状について学びます。充実したカリキュラムのもと,理論と実践を往還させながら高い保育・教育研究能力を身につけることを学生に期待しています。
幼児教育コース →本コースでは,小学校や中学校教員となるために必要な教員免許取得の他に,教育学や心理学に関する専門的な学習と研究を深め,理論と実践の両面を視野に入れた教員養成を目指します。コースの学習は,教育を教室や学校に限定せず広い視野で考えていくことが特徴です。グローバル化や情報化,少子高齢化など社会の急激な変化に伴い,現代の教育課題は多様で複雑になってきています。社会全体として見たとき,学校・学級を集団やシステムとして捉えたとき,子どもや教師といった個人に焦点を当てたとき,あるいは「教育」そのものをじっくり考えたときに何が見えてくるでしょうか。様々な専門性を有する教育学・心理学の教員の指導のもとで,教育を科学することを通して,教育課題を深く読み解き粘り強く思考・試行する力を身につけることを学生に期待しています。
専門的な理論と実践を学び,高度な能力と豊かな知識を身につけ,教科指導にすぐれた実践力を持った学校教員の育成を目指します。さらに,発達段階に応じた教科の指導法や教育内容,あるいは,カリキュラムについて明確な課題意識を持って探求し,現代の子どもたちの課題に応じた新しい教科学習の指導を創造していくことのできる,学び続ける教員の養成を目指しています。
本コースでは,理科と技術科の両教科を融合した教科内容を充実・強化することにより,学生は,理科及び技術科を担当できる教員として高い授業実践力と教材開発能力を身に付け,それによって,未来を担う児童生徒の科学技術力を育成することのできる教員を養成します。「材料」,「エネルギー変換」,「生物育成」など,理科・技術科両教科に共通して関連する内容を履修することにより,理科及び技術科教育を積極的に推進する地域教育のリーダー的役割を担う人材を養成します。
科学技術教育コース →
幅広い教育の現場で,心身の障害や学習困難から生じる特別な教育的ニーズのある児童生徒に対して,その障害特性に応じた適切な教育を行える教員が求められています。本コースでは,これまでの特殊教育といわれる分野,主に知的障害の子ども,肢体不自由の子ども,病弱の子どもを教育する方法や視覚障害や聴覚障害,情緒障害,言語障害,発達障害に ついて学びます。また,児童生徒の学習上又は生活上の困難を分析するための理論や児童生徒に応じた適切な指導法も学びます。こうした知識や専門性は,通常学級を受け持つ教員にも必要とされています。コースでの学習・研究を通して,子ども一人ひとりの教育的ニーズに応じた適切な指導および必要な支援ができる力を身につけることを学生に期待します。
特別支援教育コース →